精密根管治療+歯周外科(根尖側移動術)
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治療前 -
治療後
患者様情報
- 年代
- 70代
- 性別
- 男性
- 症状
- 右上の歯茎が腫れ、物噛むと痛くて噛めない。
- 治療期間
- 1年(3本根管治療+歯周外科)
- 治療回数
- 各根管治療3回+歯周外科1回
- 治療費用
- 第二大臼歯9万円第二小臼歯7万円第一小臼歯7万円+根尖側移動術5万円(計28万円)※補綴費用は別途
この治療におけるのメリットとデメリット
メリット
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マイクロスコープを使用した精密な治療
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ラバーダム防湿による感染予防
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CTを用いた精密な診断(必要に応じて)
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柔軟性を持つニッケルチタンファイルを使用
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精密根管治療なら、抜かずに治療で残せる可能性がある
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歯肉縁下カリエスで抜歯しなければいけない場合も、歯周外科を行うことで抜かずに残せる可能性がある
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歯周外科を行うことで、歯周ポケットが改善される
デメリット
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費用が高額
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外科処置を行わなければいけない
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歯肉の治癒期間があるため被せ物の型取りするまで4〜6ヶ月かかる
治療方法
レントゲン所見より、黄色の円の中にある黒い部分が病変である。歯肉の腫れている原因は赤い点で記している上顎第二小臼歯の根尖病変であることが分かったため、精密根管治療を行うことになった。
第二小臼歯に加え、第二大臼歯、第一小臼歯の3歯の根管治療終了。歯周外科前の写真。初診時にあった歯肉の腫れが消失している。黄色の矢印で示している第一、二小臼歯のように歯肉より深いところまで虫歯が進行してしまった場合(歯肉縁下カリエス)、歯を抜歯せずに保存するため、歯肉に埋まっている歯を表に出す手術(根尖側移動術)が必要となります。赤い矢印部分は歯が残っているように見えて、実はコンポジットレジンという白い材料ですので、歯ではありません。
術中の写真。歯肉の中に埋まっていた歯を表に露出させた状態。赤い矢印がコンポジットレジン、黄色の矢印が表に出た歯となります。歯の縁を表に出した状態で補綴(被せ物)することは根管治療の予後にも影響します。
歯周外科から5ヶ月後の写真。歯周外科した全ての歯が表に出て、歯周ポケットも改善された状態。ここでもう一つ歯の延命に繋がる大事なポイントがあります。黄色の矢印の部分です。フェルールといい、1.5~2mm確保されていると、歯が破折する抵抗性を得ることができます。根尖側移動術を行うことで、このフェルールを獲得することができ、安心して補綴(被せ物)をすることができます
精密根管治療1年後のレントゲン。主訴であった赤い点で記した第二小臼歯の根尖病変は消失し、骨が再生された(黄色の円の部分)